2016.08.31

第2回ジュブナイル脚本大賞 一次通過作品発表!

ストーリー賞

第2回ジュブナイル脚本大賞は8月16日締め切りで、120本の応募を頂きました。たくさんのご応募、本当にありがとうございました。全作品を入念に読ませていただき、慎重な審査の結果、以下の5本を第1次審査通過の「ストーリー賞」に選定いたしました。

「軽蔑すべき、人を狂わせる、理解しがたいもの。」京相絵里子
14歳のバレー部員・薫は、同級生らが夢中になっている恋愛には興味がないし、理解も出来ない。ところが、同じバレー部で親友の日菜子が教師の飯沼と付き合っていると知り、薫は自分でも思いがけないほど動揺する。

「怪獣の棲む町」中澤惟
12歳の拓実は、両親の期待が弟ばかりに向かうのが辛くて、田舎の祖父の家で夏休みを過ごすことになった。貯水池に怪獣が住むという噂が流れているが、拓実は信じない。ところが、真衣という少女と出会ったことから、怪獣の真実に迫っていくことになる。

「テイクオーバーゾーン」岩島朋未
母が弟を連れて出て行って以来、沙里は父と暮らしている。いつか家族が元通りになることを願っていた沙里だが、母が再婚を決めたことに衝撃を受ける。母の再婚相手は同じ陸上部のリレーメンバーの雪菜の父だった。母の再婚により、沙里の学校生活は大きく揺れ動く。

「宇宙の落とし物」吉江七恵
中2の春奈は、母の再婚に伴う引っ越しによって、新しい父の連れ子である不良少女の樹里と、「自分は宇宙の落とし物」と主張する不思議な少年・王子と出会う。親に翻弄されながらも、ひたすらに自分の道を見つけようとする、少年少女のひと夏の物語。

「餃子ロック!」森田洋見
ラーメン屋の娘・梢は、賞金50万円に惹かれ、県民ロック甲子園への出場を決め、メンバーを集める。梢は不登校のお嬢様など3人のメンバーを見つけ、バンド名を「餃子ロック」と名付ける。餃子は豚肉+ニラ+にんにく+皮が揃ってはじめて餃子になるからだ。だが、「餃子ロック」は前途多難だった。

以上の他にも、俳句の魅力に取りつかれていく中学生を描いた「夜に馳せる少女」(福田誠)や、主人公が異星人の少年の死体を隠す顛末を描いた「ライスミルク」(金子友紀)などユニークな作品があり、選考に迷いましたが、登場人物の葛藤のリアルさを優先し、上記の5本を選びました。

今回の応募の特徴としては「主人公の子供が、風変わりな老人や中年に出会って成長していく」という筋立ての作品が非常に多く見受けられました。現代の子供の成長には老人の知恵が必要、というイメージが強いのかも知れません。しかしながら、ジュブナイル映画という領分においては、大人が大きく介在していく物語よりも、子供同士でぶつかり成長していく姿を描いた作品が輝いて見えます。ストーリー賞に選定された5本は、いずれも主要登場人物が思春期年令の子供たちに設定された作品でした。

第1回の応募より、全体的にストーリーのレベルが上がり、破たんしたものが少なく、読み応えのあるものが多かったというのが、審査側の感想です。また最年少の16歳の女性をはじめ、10代20代の応募者が増え、しずる感のあるストーリーがいくつもあり、新しい才能の芽ぶきを感じられました。若い脚本家の発掘を目指すドラマデザイン社としては、たいへん嬉しい傾向でした。

ストーリー賞受賞の5人の方には、これから脚本執筆に入って頂きます。10月上旬には、大賞を発表いたします。

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